チェスの Checkmate in N moves と将棋のN手詰め
前回記事で紹介した書籍「ベーシック・チェックメイト・パターン」※1では、終盤問題に勝つまでの手数が書かれています。チェスと将棋では手の数え方が異なっています。将棋では先後別々に数えますが、チェスでは白黒合わせて1手です。ですからチェスの2手詰めは将棋の3手詰めにあたります。しかし、その他にもチェスと将棋の終盤問題は重要な違いが存在します。
将棋用語のN手詰め
将棋の場合、ある局面から王手の連続で詰み(勝ち)に至る場合、王手と相手の応手の合計手数を指してn手詰めと呼びます。王手→応手→王手(詰み)なら3手詰めです。手数を略して詰みがある・即詰みとも呼びます。
これとは別に、必ずしも王手でなくとも最終的に勝ちになる手が存在する場合、それを必至と呼びます。王手か何か→応手→王手か何か→応手→王手(詰み)のようなパターンです。全てが王手の場合は即詰みなので必至とは呼びません※1。
- ※1 厳密には必至はもっと狭い意味で使われています。 参考:まだmateの定義で消耗してるの? | やねうら王 公式サイト
チェスの考え方
相手が何をやっても最終的に勝ちになる手がある場合、その手数を MATE in N (Checkmate in N moves) と呼んでいます。将棋の必至+即詰みに近い概念です。
例えば、以下の局面(白番)。 1.Nxe6 dxe6 2.g7# で白勝ちなのですが、これは将棋で言う2手詰ではありません。 敢えて将棋の問題同様に考えるなら Nxe6 の1手必至問題になるように思います。
将棋の必至問題は必至後の詰みまでは数えないですよね。必至になるまでの手数を数える。そこもチェスとは違う区分(考え方)があるように思います。
中国象棋 の考え方
中国象棋もチェスと同様の考え方をします。違いは、チェスでは
そのため、相手を困死に追いやることで勝つこともできるため終盤に考えないといけないことが多くなります。
将棋の枠組みを外さないとタクティクスを解くのは難しい
私は将棋は何年も勉強したので、どうしても将棋的な考え方(枠組み)で問題を見てしまう。これは詰みがあるのか、こっちが詰むのか、必至をかければいいのか、駒得なのか……
チェスや象棋の枠組みはどうもこれと違っている。局面を見る方法を変えないとまずそうだ。
(でも、どうやればいいのだろうか?)
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